毎月の業績を正しくつかむ!~変動損益計算書を活用しよう~
- 公開日:2015/07/08
- 最終更新日:2021/02/12
経営において、毎月の業績をきちんと把握することは不可欠です。
今回は、毎月の財務の数値から業績をつかむのに、非常に有効な変動損益計算書についてご紹介します。
損益計算書と変動損益計算書の違い
通常、損益計算書は、まず売上から売上原価を引いて売上総利益を算出し、さらに販管費などの経費を引いて、経常利益を算出します(図表2-①)。
これに対して、変動損益計算書では、原価や経費などすべての費用を、材料費のように売上の増減に伴って増減する変動費と、人件費、家賃のように売上の増減に関係なく発生する固定費に分けます(図表1)。
そして、売上高から変動費を引いて限界利益を算出し、さらに固定費を引いて経常利益を算出します。(図表2-②)
また、売上高に占める限界利益の割合を限界利益率(限界利益÷売上高)といいます。
変動損益計算書は業績判断に役立つ
変動損益計算書は、売上の増減に比例して限界利益が増減するため、損益計算書よりも業績を判断しやすい特長があります。
例えば、売上が20%増えれば、比例して限界利益も20%増加するため、「売上げの増減によって限界利益がどれだけ増減するのか」をすぐつかむことができます。ところが、通常の損益計算書では、売上原価に固定費が含まれるため、売上総利益が売上に比例しないのです。
また、売上高をさらに「単価×数量」の式に分解すれば、「いくら売らなければならないのか(金額ベース)」や「いくつ売らなければならないのか(数量ベース)」といった検討もできるようになります。
変動損益計算書の活用例「1人採用するには、どれだけ売ればいいのか」
そば屋さんを例について説明しましょう。
ある、そば屋さんが忙しくなってきたため、アルバイトを月10万円で1人雇うかどうか検討しています。この場合、1杯500円のそばを、あと何杯売れば、アルバイトの給料分の利益を稼ぐことができるかを検討することができます。
この例の場合は、10万円を1杯当たりの限界利益200円(売上単価500円-変動費単価300円)で割って、500杯が正解、ということになります。
このように、慣れない方には数字の羅列に見える財務諸表も見方を学ぶことで経営に役立てることができます。
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