開業資金の準備(借り入れ)
- 公開日:2014/11/14
- 最終更新日:2021/02/12
潤沢な自己資金を元に事業を始めるのが理想ですが、自己資金で足りない場合は、借り入れをして資金を調達することになります。親族からの借り入れ、金融機関からの借り入れが主たる方法ですが、事業によっては助成を受けられるケースもあります。負担を軽減できるチャンスを逃さないよう、支援機関や金融機関に足を運び情報を収集しながら取り組みましょう。
また、潤沢な自己資金があり、借り入れに頼らず事業をスタートする場合でも、計画通りに成果が上がらず、1~2年で資金が不足するケースも考えられます。事業を継続するためには、借り入れが必要になります。
親族などから借りる場合は別ですが、金融機関から運転資金の融資を受ける場合は、創業資金の融資と違い、経営状態、銀行取引における信用が加味され、実績のない会社(個人)はその分ハードルが高くなる場合もあります。
創業にあたり資金計画を立てる際は、スタート時は自己資金で間に合う場合であっても、長期的視野に立ち、厳しい局面があることも想定して、あえて融資を受けて可能な限り体力を蓄えておくこともひとつの方法です。
金融機関に対する信用実績は、会社にとって大きな財産です。
借り入れの際の注意事項
親族からの借り入れをおこなう場合と、金融機関から借り入れをおこなう場合では、当然ですが手続きが違います。
そのためそれぞれに注意しておいた方が良いことがいくつかるのでご紹介します。
①親、兄弟、友人、親戚から借りる場合
身内とはいえきちんと借用書を作成することが大切です。トラブルを回避する目的のほかに、税金面での問題があります。借り入れに際して借用書がない場合、また返済も進んでいない場合は贈与とみなされ贈与税の課税対象になることがあるので注意が必要です。
②金融機関から借りる場合
当然のことですが、借入れ金額が多いほど毎月の返済額が多くなるので開業後の経営が圧迫しない金額で融資を受けることが大切です。また、金融機関からの融資に際しては審査により、融資の可否や融資可能金額が決定されます。金融機関には銀行などの民間金融機関と政府系金融機関がありますが、いずれにしても融資に際して重要視されるのは「事業の将来性」です。
公的融資
創業資金を借り入れで調達する際に活用したいのが市町村や北海道、国(政府系金融機関)で実施している融資制度です。
市町村の融資制度では、利子や信用保証料の補助が受けられるものもあります。また、市町村や北海道の融資制度は、民間の金融機関を通じて融資が行われますので、金融機関等における金融上の審査が必要となります。
公的助成金
助成金制度とは事業者の申請に基づき、各制度で定める助成対象要件を満たしていると認められた場合に国や自治体等から一定額の資金援助が受けられる制度です。融資とは異なり基本的に返済する必要がないため、資金調達の有効な手段となります。
※公的助成金は期間や予算などの関係で締め切っている場合もありますので、こまめなチェックが必要です。
助成金にはさまざまな種類の制度があります。北海道が発行している「創業・ベンチャー支援、雇用・人材支援 総合ガイドブック」に詳しい内容が記載されているので参考にして下さい。また、助成金制度は支給要件が複雑で、文章を読んでも理解しにくいため、各助成金の窓口に直接行って具体的に相談するか、社会保険労務士など専門家へ依頼をするのも有効な方法です。
※「平成26年度 創業・ベンチャー支援、雇用・人材支援 総合ガイドブック」は、北海道のホームページからダウンロードできます。
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