起業する業種の経験の重要性
- 公開日:2015/04/30
- 最終更新日:2021/02/12
まったく経験のないビジネスを始めるよりも、長年の経験を活かしたビジネスを始めた方が、その商品やサービスの質が優れているのは明白です。日本政策金融公庫調査月報2015 4月号(NO.079)に非常に興味深い記事が掲載されていましたのでご紹介します。
起業する業種の経験が重要な理由とは
調査レポート「新規開業企業における顧客の確保・獲得のポイント」の中で、顧客を確保・獲得する上の重要な要素として「開業者のキャリア」があげられています。「新規開業企業は企業としての信用が無いため、顧客を確保・獲得しようとする際には、企業としての信用に代わるものが必要になると考えられる。
開業者が十分なキャリアをもっていれば、それは企業としての信用に代わるものとなるだろう」と分析しています。
また、起業する上で経験が重要とされるのには、もう一つ理由があります。経験が無い場合、「創業融資の審査上不利になる場合がある」からです。
創業融資の審査については、前述ブログ「創業で金融機関から融資を受ける際に最も重要なこと」において、ビジネスの将来性や熱意が大事と述べましたが、それ以前の基本的な要素として、その業種での経験がものを言います。
そうした経験が裏付けとなっているからこそ、ビジネスの将来性や熱意は真実味があるからです。
未経験業種の起業の場合
しかしながら、「趣味が高じて」とか、「その業種のビジネスモデルや将来性に着目して」など本業としては全く未経験の分野で起業したい、という方もいるかと思います。
もちろん、未経験だとしても、その業界のビジネスを多角的に学び、人脈を構築し事業として確立することは、不可能ではありません。そこがしっかりしていれば、融資を受けることは十分可能です。
しかしながら、未経験の方の中には、その分野の技術面や売れ筋など断片的な事柄には詳しいが、事業として運営していく上での知識(ノウハウ)が足りない方が少なからずいらっしゃいます。
そうした経験不足からくる知識の抜け漏れを埋めるには、同業種に一度転職(修行)してみるのも方法の1つです。そうすれば、ビジネスとしての一連の流れが分かるだけでなく、「ここをこうしたらいいのでは?」等の、自身が起業した時に活かすヒントを得ることもできます。
もう1つは、「その業種で経験豊富な人物を役員として入れる」こと。但し、これは融資の際、連帯保証人としてサインが求められる場合もありますので注意が必要です。
このように、起業する上では、その業種についての断片的な知識だけでなく、事業としての経験、ノウハウが重要です。
このブログを御覧頂いている方の中には少なからず起業を志している方がいらっしゃると思います。今一度ご自身の経験や、ノウハウを棚卸してみて抜け漏れがないか、確認してはいかがでしょうか?
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